歯科検診で、「歯ぎしりをしていますね」と言われても、まったく自覚がない……という方は少なくありません。眠っている間に、知らず知らずのうちにしている歯ぎしり。こちらでは、歯ぎしりの影響やその治療法などについてご紹介しています。

歯ぎしりの原因の大きなものには、ストレスが挙げられています。これは、イライラした時にする貧乏ゆすりと同じこと。歯をギシギシすり合わせて、ストレスを発散させようと自然に体が動いているのです。
普段、意識して奥歯を咬みしめる時の力は、自身の体重とほぼ同じくらいだと言われているのに対し、睡眠中に無意識下で歯ぎしりをした時の力は、なんとその2倍。歯ぎしりは主に睡眠中にするものだということを考えると、あごには毎日の積み重ねによって、相当な力がかかっていることになります。それが続くと、やがて次のような影響が現れてしまいます。
- 歯が削れ、すり減ってしまう
- 咬み合わせが悪くなり、あごの関節に負担がかかることで、肩こりや頭痛、顎関節症を引き起こす
など
朝起きた時にあごの関節が痛む、頭痛や肩こりが続いている、という場合には、一度歯ぎしりを疑ってみましょう。
歯ぎしりには、さまざまな種類があります。よくある、上下の歯をギシギシとすり合わせるタイプのほかにも、カチカチとぶつけ合ったり、強く咬みしめたりといったものもあるのです。その中の一種類だけをしている人もいれば、全部している人もおり、またその力の強さも一人ひとりまったく異なります。
そして、歯ぎしりには音の出ないものもあります。音が出ない歯ぎしりは、家族にも気づかれにくく指摘されないため、「自分は歯ぎしりをしていない」と断言できない場合もあるのです。
歯ぎしりセルフチェックシート
意外とあなたも歯ぎしりしているかもしれません。次の項目で、自分が歯ぎしりをしていないか、一度チェックしてみましょう。


歯ぎしりを防止するためには、まずその原因となるストレスをなくすことが先決ですが、それは簡単なことではありません。また、歯ぎしりを完全に治すのも難しいものです。しかし、歯ぎしりがあごにかける力を軽減させることは可能です。
歯ぎしりの治療では、就寝中に装着するマウスピースをつくることで、歯やあごにかかる負担を軽減できます。歯ぎしり防止用のマウスピースは、保険内にてつくることが可能です。くわしくはお気軽にご相談ください。
【コラム9】~マウスピースで口腔内を守ろう~


歯ぎしりがさまざまな影響を生むことをお話しましたが、それが入れ歯治療にまで支障を生んでしまうことがあります。
例えば、「楔(くさび)状欠損」もその一つ。強すぎるブラッシングによって歯と歯ぐきの境目の象牙質が削れ、知覚過敏を引き起こす症状ですが、歯ぎしりなどで咬み合わせがくずれ、歯に無理な力がかかることによっても生じます。また、上あごや下あごの内側などに骨がぼこっと出っ張って膨らみができる「骨隆起(こつりゅうき)」も、歯ぎしりが影響しているもの。これらの症状があると、その度合いによっては入れ歯が入らなくなってしまうこともあるのです。
歯ぎしりはこのように、思いがけないところにも影響します。歯ぎしりによる口腔内への負担を軽減するには、マウスピースが効果的です。歯やあごの骨への異常を生む前に、早めにマウスピースによる治療を検討しましょう。









